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最新デジタル技術を駆使してGX(グリーン・トランスフォーメーション)を推進するアイデアを一挙公開

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「図解ポケット GX(グリーン・トランスフォーメーション)がよくわかる本」(著:関貴大・松村雄太、秀和システム)が「GX」の概要をさくっとつかむのによさそうなので、ご紹介。2023年8月発売の本です。

「政府がGXリーグとか言いだしたけど一体何なのか」
「DXとどう違うのか」
「どうやら環境の話らしいけどSDGsやカーボンニュートラルとどう関係あるのか」

という人におすすめです。

他のGX入門本との違いは、最新のデジタル技術に少なくないページが割かれていることでしょうか。出版社の秀和システムによる内容紹介はこちら。「Web3」「メタバース」のキーワードが見られます。

GX(グリーン・トランスフォーメーション)が図解でわかる入門書です。
企業・自治体・学校の先進事例から学ぶ!
・基礎知識や全体像がざっくりつかめる!
・SDGsやDX、SXとの関連がよくわかる!
・GX投資の仕組みと最新動向がわかる!
・Web3など最新技術との関係がわかる!
・環境関連のキーワードもすっきり解説します!
「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、本格的に始動したGX。
GXとは一体何なのか? 今GXが注目される背景や、国内外の取り組み事例を豊富に紹介し、GX投資、DX、メタバースなど関連するトピックも合わせて解説します。
GXに取り組んでいる企業の担当者、GX投資やESG投資に興味のある人に最適です。

第4章は丸ごとデジタル関連のトピックに割かれています。目次を見ると「ブロックチェーン」「イーサリウム」「DAO」「NFT」「生成AI」などのキーワードも。

CHAPTER 4 今後のGXを支えるテクノロジートレンド
 4-1 様々な分野で活用が期待されるブロックチェーン
 4-2 イーサリアムもGXを実施
 4-3 地球を再生させようとするReFi
 4-4 カーボンオフセットプロジェクトで活用されるNFT
 4-5 ReFiの担い手となるDAO
 4-6 川崎の環境DAO「つながループ」
 4-7 SDGsの達成に貢献するメタバース
 4-8 多くの業務を効率化する生成AI
 コラム エコなWeb3サービス

本書によると、GX(Green Transformation)とは、「環境関連の技術や仕組みに重点的に投資を行い、社会・経済構造そのものを変革させることで、環境と経済成長の双方を両立」させる考え方や取り組みのことです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)と混同されがちなGXですが、何もデジタル技術に限った営みではないんですよね。なので全6章のうち1章がまるごとそちら方面に割かれているのは、ちとバランスが悪いような。

そう思って首をかしげたところ、この点は著者プロフィールをあらためて見てみて腑におちました。共著者の一人・松村雄太さんが、同じ秀和システムの「図解ポケット 〇〇がよくわかる本」シリーズの「NFT」「イーサリアム」「メタバース」「Web3」「DAO」の共著者だったのです。

ちょっとこじつけっぽいところもある気がしますが、ブロックチェーンがカーボンクレジットの取引に使われたり、NFTアートがエコ活動のインセンティブになるという事例には、確かに可能性を感じます。いい機会なので、話題の「メタバース」や仮想通貨まわりの用語も押さえてしまいましょう。

というところで、あらためて全体の目次です。まずデジタル方面の章に目が行ってしまいましたが、「GX」の中心となる環境・サステナビリティ方面の知識も簡潔にまとめられています。なお、共著者のもう一人である関貴大さんは同じシリーズの「環境とエネルギー政策がよくわかる本」の著者。

CHAPTER 1 GXの基礎知識
CHAPTER 2 GXが注目される理由
CHAPTER 3 GX関連のキーワード
CHAPTER 4 今後のGXを支えるテクノロジートレンド
CHAPTER 5 企業がGXに取り組むメリット
CHAPTER 6 GXの取り組み事例

1トピック1見開きという構成と、巻末に索引と用語解説がついているところもポイント高いですね。手元に1冊あると、ニュースや専門書を読むときに重宝しそうです。

個人的には、今まで目を通した環境関連の入門書の中で、いちばん軽快でいいかもしれないという印象を持ちました。

いや、思うんですがね。環境方面の話ってなんか重いことが多いんですよ。制度が複雑、技術の話や用語が難しいということもあるのですが、ミッションとか社会的責任とか覚悟とかいう心構えの点でも。

その点本書は、環境が大事なのは当たり前、でも今の生活も維持したいよね、さあどんな新しい展開ができるかな?というところからスタートしているので、とことん明るく前向きな印象。GXしなければ淘汰される!という悲壮感はありません。

会社でいきなり「これからはGXだ!」なんて言われて当惑している皆さんは、本書でまずはざっくりと業界の全体像を眺めてみてはいかがでしょうか。新書よりちょっと大きめのサイズ、全166ページと物理的にもコンパクトなので、カバンや机の中に忍ばせておくのにいい感じです。

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