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アンモニアでエネルギー?燃料にして発電する仕組みやデメリットをわかりやすく解説

エネルギーとしてのアンモニアとは ESG
この記事は約4分で読めます。

最近、電気やエネルギーの分野でアンモニアがどうこういう話を聞くことがあると思います。その理由を3行でまとめるとこんな感じです。

アンモニアは、水素を運びやすくするための媒体
アンモニアそれ自体が燃料になったりもする
燃やしても二酸化炭素が出ないので脱炭素にお役立ちというメリット

このページでは、エネルギーとしてのアンモニアとは何か?について解説します。

小秋
小秋
ニュースなんかを見て、「アンモニアって燃料なの?」「水素との関係は?」と混乱している人もけっこういるんじゃないかと思います。そんな皆さんが情報を整理するためのお手伝いができれば幸いです!

アンモニアは、肥料として、また合成繊維のナイロンやメラミン樹脂の原料として、おなじみの物質です。

エコじろう
エコじろう
ふむふむ。それが電気やエネルギーと何の関係があるの?

アンモニアは水素を運ぶ媒体として、また、燃料それ自体としても使えるのです。

エコじろう
エコじろう
水素を運ぶ媒体として?

水素は、燃やしても二酸化炭素が出ません。そこで、世界が脱炭素に向かう中、次世代エネルギーとして注目されているのです。

しかし、水素は取り扱いが難しく、大量に輸送したり貯めておいたりするためのインフラや制度が整っていなかったりします。

小秋
小秋
この点、アンモニアは肥料や化学製品の原料として広く使われているので、運搬や保管のためのインフラや制度がすでに確立しています。そこで、水素をアンモニアに変換して運ぼうというわけです。

アンモニアの化学式はNH3です。ざっくり言うと、水素に空気中の窒素を加えてやるとアンモニアになるという仕組みです。化学式はこんなですが、とりあえずアンモニアには水素(H)が含まれているということだけ押さえておきましょう。

3H₂ + N₂ = 2NH₃

エコじろう
エコじろう
なるほどなあ。ところで、もうひとつの「燃料それ自体として使える」というのはどういう意味なの?

アンモニアも水素と同じく、燃料になります。燃やしても二酸化炭素が出ないので、脱炭素に役立つエネルギーとして注目されています。

現在、最も進んでいるのは、石炭発電の際にアンモニアを混ぜる「混焼」という仕組みです。

小秋
小秋
もし国内の大手電力会社が持っているすべての石炭火力発電所で、アンモニア20%の混焼を行えば、CO2排出が約4000万トン減らせると言われています。
エコじろう
エコじろう
すでにある火力発電所を活用しつつ、脱炭素に近づくというメリットがあるわけだね。これはいいや。

ただ、デメリットもあります。国内のすべての石炭火力発電所で20%混焼をしようと思うと、現在、世界で流通しているアンモニアとほぼ同じ量が必要となるんですね。その量は2000万トンとも3000万トンとも言われています。

エコじろう
エコじろう
えっ、それじゃあ農業やほかの産業との間で取り合いになってしまうなあ。

そうなんです。さらに、アンモニアの原料となる水素をつくるためには電気が必要なんですよね。

エコじろう
エコじろう
えっちょっと待って。こんがらがってきた。アンモニアの原料が水素?

そうです。水素をアンモニアに変換して運べるということは、水素からアンモニアが作れるということです。

水素の製造方法には、ざっくり言うと水を電気分解する方法と、天然ガスなどの化石燃料を変換する方法があります。

そのプロセスで使う電気を再生可能エネルギー由来にするとか、排出されてしまった二酸化炭素を回収して地下に貯めたりするとかすると、その水素はカーボンフリーということになります。

小秋
小秋
ちなみに、再エネの電気からつくられた水素を「グリーン水素」、化石燃料と二酸化炭素の回収の合わせ技でつくられた水素を「ブルー水素」といいます。
エコじろう
エコじろう
そして、グリーン水素やブルー水素からつくられたアンモニアもまたカーボンフリーってことかあ。なるほどね。
エゴじろう
エゴじろう
よう、さっきから聞いてたけど何だか面倒くせえなあ。アンモニアはこれまで通り肥料とか化学製品に使って、発電は化石燃料で。で、発電の過程で出ちゃった二酸化炭素は回収するよ!というのではダメなのかい?

うーん、そうですね。そのへんは、どうするのが低コストか、脱炭素的にメリットが大きいかの兼ね合いというところでしょうか。とりあえず、今後の技術の動向を見守っていくとしましょう。

ということで、このページではエネルギー分野でのアンモニアの利用についてご説明しました。

水素を運ぶ媒体として、またそれ自体が燃料として使えるというアンモニア。

燃やしても二酸化炭素が出ないというメリットがあるので、新しいエネルギー源として注目されていますが、肥料など従来の使いみちと競合するというデメリットがあります。

また原料となる水素の製造方法によっては、けっきょく二酸化炭素が出るんじゃん、という問題があることも押さえておきましょう。

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