資源エネルギー庁の「電源投資確保」のための新しい制度とは?

電源投資確保 エネルギー
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きょうのお題は経済産業省の外局である資源エネルギー庁の「電源投資確保のための新たな制度措置」。12月3日の審議会を経て、新たな制度を2023年に導入する検討方針を打ち出したそうです。

この場合の「電源」とは、「脱炭素」かつ安定供給が見込めるもの。二酸化炭素を出さず、かつ安定している発電に投資していきたいね、という話のようです。上記ニュースによると、対象となるのは

  • 水素やアンモニア
  • CCUS(二酸化炭素回収・貯留)
  • 再生可能エネルギー
  • カーボンリサイクル・蓄電池

です。

再エネも一応入っていますが、要は火力発電を推進したいようですね。水素・アンモニアを利用した火力発電や、CO2回収機能のついた火力発電。これらを「脱炭素電源」として掲げる日本は、今年11月のCOP26で「化石賞」を受賞することになってしまったわけですが、そのまま我が道をひた走ることにした模様です。

ただ、化石賞の受賞の理由は、「アンモニアとCCUSで火力を脱炭素化なんて、お金かかってどうしようもないじゃないですか。あんたらの頭はお花畑ですか」という趣旨だったような気がしますので、お金のところがなんとかなればいいんじゃないかという気がします。収支のことも考えているようですし。

委員会の中間取りまとめによると、「カーボンニュートラルと安定供給の両立に資する新規投資に限り、電源種混合での入札を実施し、落札案件の容量収入を得られる期間を複数年間とすることで、巨額の初期投資の回収に対し、長期的な収入の予見可能性を付与する方法が考えられる。今後、この案を基礎に、制度の詳細を検討していく」とのこと。
出典:経産省、再エネなど脱炭素電源の確保へ、新たな投資制度を来年導入で検討 | EnergyShift

カーボンニュートラル2050の流れの中で諸悪の根源のように言われている火力発電ですが、日本は太陽光や風力など再エネに適した土地が少なく、地震や風水害が多いというお国柄です。再エネがんばる、不足分は原子力でがんばるではなく、火力の活用は考えた方がいいんじゃないですかね。これまでお金がかかってできなかったような設備が、新しい制度によって実用化することを期待したいところです。

今回開催された「審議会」とは、「総合資源エネルギー調査会」の基本政策分科会の一つである「持続可能な電力システム構築小委員会」です。

総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 持続可能な電力システム構築小委員会(第13回)
議 事 次 第
1.日時:令和2年12月3日(金) 10:00~12:00
2.開催形態:オンライン会議
3.議題:
(1)託送料金制度(レベニューキャップ制度)の詳細設計について
(2)分散型エネルギーシステム推進に向けた事業環境整備について
(3)電源投資の確保について

出典:総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 持続可能な電力システム構築小委員会(第13回)「議事次第」より

ニュースで主に取り上げられているのは、「(3)電源投資の確保について」の部分です。上記引用内リンクの「「【資料3】 電源投資の確保」からPDFを見ることができます。

同資料の「まとめ」によると今後も議論が続くようです。特にアンモニアを使ったに火力発電について。いきなりアンモニアだけで発電するのはなく、まずは石炭に混ぜて燃やすこと(「混焼」といいます)から始める必要があるそうですが、その「混焼」の設備のための投資が対象になるのかという論点があるとのことです。

特にアンモニアについては、まずは混焼から導入を拡大させていき、その後、専焼化させていく必要があることから、こうした「混焼」のための新規投資を本制度でどこまで対象とするかといった対象の詳細については、引き続き検討していく。
こうした対象の詳細な内容と、第二次中間とりまとめで整理された今後検討を深めるべきその他の論点については、「電力・ガス基本政策小委員会」の下部組織であり、現行容量市場の在り方について検討してきた「制度検討作業部会」において、具体的な検討を進める。
出典:総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 持続可能な電力システム構築小委員会(第13回)「【資料3】 電源投資の確保」

詳細は「電力・ガス基本政策小委員会」の「制度検討作業部会」において、具体的な検討を進めるとのこと。こちらですね。資源エネルギー庁ではなく経済産業省の直下の組織です。

第59回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会(2021年11月29日)

ちなみに「再エネ価値取引市場」「PPA」「非FIT」など、電力業界の新しいしくみについての話し合いはここで行われています。お役所系の文書は読むのが面倒ですが、再エネ電力の調達にかかわるようになった方は、流れを追っかけておいて損はないでしょう。

ということでこの記事では、資源エネルギー庁の「電源投資確保のための新たな制度措置」についてのニュースをご紹介しました。ざっくりまとめますと、国は今後、水素・アンモニアを使った火力発電や、CCUS(二酸化炭素回収・貯留)を支援しようとしているということです。欧米と異なり、火力を活用した独自路線の脱炭素を追求しているということは、頭に置いておく必要があります。

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