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地層処分とは?日本の現状や候補地とデメリットをわかりやすく解説

地層処分とは ESG
この記事は約5分で読めます。

「地層処分」とは、要は何でしょう?まずは3行でささっと説明します。

地層処分とは、いわゆる「核のゴミ」を地下深く、安定した地層に埋めること
この場合の「核のゴミ」は使用済核燃料をリサイクルした残り。高レベル放射性廃棄物
日本では、まだ候補地の選定中。北海道の二つの自治体が名乗りをあげている
小秋
小秋
ということなんですが、もう少し詳しく知りたい方のために、日本の地層処分場の候補地選びの現状やデメリットなどを以下でご説明します!

「地層処分」とは、高レベル放射性廃棄物を地下300メートルより深く、安定した地層に埋めることです。

この場合の「高レベル放射性廃棄物」とは、ニュースなんかでは「核のゴミ」なんて呼ばれているもの。使用済みの核燃料をリサイクルした後の残りを固めたものです。

小秋
小秋
使用済の核燃料からは、ウランやプルトニウムを取り出して再利用できます。しかし5%ぐらい、捨てるしかない部分があるんですよね。その部分も放射能を持っていて危険なので、固めて地中に埋めてしまおうというわけです。

もう少し詳しく言うと、溶かしたガラスといっしょに固めて「ガラス固化体」というものにして、何重にもバリアをほどこして埋めます。これが地層処分です。

エコじろう
エコじろう
そうかあ。ガラス固化体ってやつにすると安全なんだね。

いいえ。できたてのガラス固化体の表面の放射線量は毎時14,000シーベルト。

これは、レントゲンを1秒間に426回照射するのと同じレベルで、近づくと普通の人は2分で死にます(gacco講座「放射線安全社会入門~リスクの知見を暮らしに~」第5週7回の講義より)。

エコじろう
エコじろう
ひっ。
エゴじろう
エゴじろう
おいおい、おっかねえなあ。そんな危ないもんを地下に埋めても大丈夫なのかよ?

できたての状態で埋めるのではありません。表面温度が100℃ぐらいに下がるまで、30年から50年かけて冷却されてからです。

また、ガラス固化体をそのまま埋めるものでもありません。地層処分の際には、ガラス固化体は厚さ20センチの金属製の容器に入れられ、さらに厚さ70センチの緩衝材で保護されます。緩衝材は、「ベントナイト」という粘土です。

地層処分のイメージ図

加えて、地層処分の場所は慎重に選ばれます。適した処分場の条件を挙げてみましょう。

  • 地表から300メートルより深いところ
  • 地下水の流れがゆるやか
  • 酸素がほとんどない
  • トンネルを掘れる強度がある
  • 十分な広がりのある岩盤
  • 近くに火山や活断層がない
  • 近くに鉱物資源がない
  • 海岸から近くて輸送に便利
小秋
小秋
要は、安定した岩盤という自然のバリアに守られ、容器が錆びたり壊れたりすることなく、温度がすごく上がることもなく、人がうっかり掘り返すリスクもない場所が適地ってことですね。
エコじろう
エコじろう
うーん。火山国の日本にそんな場所ってあるの?

これが、意外にもあるみたいですね。

国が公表している「科学的特性マップ」では、地層処分場の立地として好ましい場所がグリーンで塗られているのですが、西日本側も太平洋側も、沿岸の地域はわりとグリーンだったりします。

科学的「科学的特性マップ」のPDF|経済産業省資源エネルギー庁作成(2017年7月28日)

エコじろう
エコじろう
わわ。科学的特性マップでグリーンになったところは、地層処分場の候補地としてロックオンされてしまうのかい?

いえいえ、「科学的特性マップを見て、地層処分を受け入れてくれたらうれしいな」みたいな文書が、経済産業省から出ていますが、あくまでもお願いベースです。今のところ強制はありません。

エゴじろう
エゴじろう
ふうん。手をあげる自治体はあるのかね。デメリットしかないと思うんだけど。

交付金というメリットがありますからね。

北海道の泊原発近くの寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)が候補地として「調査を受け入れます!」と名乗りを上げていて、2022年3月現在、「文献調査」の段階です。

地層処分の候補地

文献調査とは、地質図や学術論文などをもとにした事前調査。

ここをクリアして、地元の理解が得られるまで、ボーリングなど実地の調査に進めません。

エコじろう
エコじろう
なるほど、地層処分がどこで、いつから始まるかわからないというのが日本の現状なんだね。海外では、もう始まっているところがあるのかな?

フィンランドでは、オルキルオト原発内の地層処分場「オンカロ」の建設が2016年から始まっていて、2020年には処分開始の予定という情報があります。

そしてフィンランドの次に、地層処分の実現性が高そうなのがスウェーデン。候補地は選定済で、安全審査中とのことです。北欧を含め、海外の地層処分の現状は、資源エネルギー庁のサイトで解説されています。

北欧の「最終処分」の取り組みから、日本が学ぶべきもの①
原発を利用する際に避けて通れない「放射性廃棄物」問題。処分地の選定を終え、処分場の建設・操業に向けて一歩先へと踏み出した海外の事例をご紹介します。
小秋
小秋
地層処分は、高レベル放射性廃棄物の処分方法として、最もデメリットが少ないとされているものの、多くの国では候補地選びで苦労しているのが現状です。

ただ、地層処分の実現には時間がかかるものです。フィンランドで地層処分場の候補地選びが始まったのは、1983年でした。建設開始は2016年。30年以上かかっているのです。

埋められる高レベル放射性廃棄物は、何重にものバリアがほどこされるとはいえ、無害になるまで何万年という危険物。候補地の選定には、そのことを踏まえた慎重さが要求されます。

エコじろう
エコじろう
原子力発電にはそういったデメリットがつきものだということも、頭に置いておきたいところだね。
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