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色彩検定協会セミナー「デザインにおける『感性マーケティング』の役割について」に行ってきました

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7月19日に開催された色彩検定協会セミナー「デザインにおける『感性マーケティング』の役割について」に行ってきました。会場は、色彩検定協会新大阪研修室(ニッセイビル16階)。

ニッセイビル
ニッセイビル

私が参加したのは、追加開催の午前の部です。参加者は、30名の定員に対して20名弱。協会の方の説明によると、私が到着した後に沿線で人身事故があり(何線かは不明)、来られなかった方がいた模様。

色彩検定協会新大阪研修室
色彩検定協会新大阪研修室

講師は、元静岡文化芸術大学副学長の宮内博実先生です。『世界一受けたい授業』『ホンマでっか!?』など、テレビ番組出演歴も多数ある方。

検定協会HPのセミナー告知ページに掲載されている、講演の概要はこちら↓

色はマーケティング分野で、かなりの効力を発揮します。 また、デザインにおいて、これまではデザイナー個人の感性やセンスに頼る部分が多かったのですが、これからは自分と相手が共有するイメージのロスやギャップを少なくするために、 論理的で科学的な「感性マーケティング」が必要です。今回のセミナーでは、企業のコンサルタント業務を多数手掛けてこられた先生のご経験や色彩心理実験の結果などもお話頂きます。

受講から1日経った現在の感想は、景観色彩における「先生のご経験」と、ご自身が開発なさったツールについて、それから色彩教育の現場の話は興味深いものではありましたが、「論理的で科学的な”感性マーケティング”」については、結局、最後までよく分からなかったなあ…というところ。

景観については、「札幌の景観色70色」の策定の話が印象的でした。宮内先生が、色を選定し、独自の色名を付したカラーチャートや、運用指針などの資料は、札幌市公式サイトの「色彩景観基準運用指針(札幌の景観色70色)(旧色彩景観ガイドライン)」からダウンロードできます。
※記事作成時にはhttps://www.city.sapporo.jp/keikaku/keikan/panfu/panfu.html#shikisaiで公開されていました

「旧」が付いてるということは、現在は使用されていないのでしょうか。詳細は不明ですが、ガイドラインには、景観色70色の配色例が盛り込まれ、また、景観の色の考え方の基本や、「カラーボキャブラリー」の成立にも踏み込んだ啓蒙的な内容となっています。

「カラーボキャブラリー」の話は、今回のセミナーにも登場しました。直訳すると「色の語彙」で、講義では明確に定義されていなかったのですが、「配色の引き出し」とかそういうことなのかなあと。カラーボキャブラリーが豊富=調和する多くの配色パターンが作れる、ということなんだろうなあと、私は理解しました。

その形成には、子供の頃の生育環境が大きく関わっているとのこと。先生によると、

基本的に感性が発達するのは、聴覚や味覚と同様、10歳頃までだと考えられています。ですから、子供のうちにたくさんの美しい名画や景色にふれることは重要ですね。
出典:青山ハッピー研究所 ハピ”プロ”インタビュー 2007年5月4日(http://www.asahigroup-holdings.com/company/research/hapiken/interview/bn/20070504/)

とのこと。

では、大人になってからでは感性を磨くことはできないのかというと、そうではなく、伸ばす方法はあるとのこと。例えば、大学では、デザインを学ぶ学生さんたちに、「愛」「素」など9つの文字をテーマに掲げ、それぞれのイメージに合ったコラージュの作成を課題として課していたそうです。

また、料理、買い物、化粧、旅行など、限られた色の中でベストの組み合わせを考えたり、強制的に日常とは異なる色に触れる経験も、感性を磨くのに有効であるとの話。

しかし、疑問なのですが、色彩オンチの大人がそれらの営みを繰り返したからといって、乏しいボキャブラリーの反復になるだけで、ボキャブラリーが増えることにはならないのではないでしょうか。それは、先生ご自身がセミナーの中で、ある学生さんの配色の課題(何度やっても変わり映えしない)を例にして、示されていたように思われるのですが…。

で、私が自身の経験を踏まえて思うに、不幸にも色のボキャブラリーが貧弱なまま大人になってしまった人は、まずは色彩検定などを活用して、色彩の基礎や配色技法を身に付けた方がよいのではないかと。それだけで、ボキャブラリーが随分増え、嫌いな色でも適切に配することができるようになります。

先生は、「色彩検定を受けても意味がない」「三属性は必要ない」とおっしゃっていましたが、それって、英語ネイティブの中で育つか何かして、自然に英語をしゃべれるようになった日本人が、「文法を学ぶことに意味はない」と言っているのに似てるなあと。

大人になって何かをマスターするなら、場数を踏むだけではダメで、やはり一定のルールを学習する必要があるような気がするんですが、いかがなもんでしょうか。まあ、学習しなきゃならないような奴はそもそも使いものにならないので要らん、という話であれば、絶望しつつもスッキリするんですが。

ということで、以上、色彩検定協会セミナー「デザインにおける『感性マーケティング』の役割について」を受講して、印象に残ったことや思ったことを書いてみました。タイトルから期待していたものは、得られませんでしたが、色の感覚やセンスとその獲得について考えるいいきっかけになりましたね。

あ、ちなみに帰りに色彩検定協会からお土産もらいました。AFTロゴ入りメモパッドです。これは嬉しい!

AFTロゴ入りメモパッド
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