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色の見え方や心理的効果は人それぞれと知って、ステレオタイプなカラーのイメージから自由になれ!

色の新しい捉え方 クリエイティブ
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色彩に興味はあるんだけど、「赤が好きな人は情熱的」「家の西側に黄色のものを置くと金運アップ」なんて話を聞くと、反射で「うさんくさっ!」と思ってしまうご同輩にぴったりの色彩関連本を見つけました。

デザイナーで、デジタルハリウッド大学教授の南雲治嘉さんの著書『色の新しい捉え方』です。南雲さんは本書の中で、「色で幸せ(ハート)」「色で売れる!」などと言っている人たちを激しく批判。色彩という概念のあいまいさをいいことに、安易だったりスピリチュアルだったりする色彩論をふりかざす人が許せないようです。

色というのは、その色の属性だけではなく周りにある他の色、また、見る人の生理的な感覚や記憶によって見えが変わるものであって、したがってそれによる心理的効果も変わってくるので、「この色は○○」などという絶対的なきまりごとはないということを力強く語ってくれています。よくぞ言ってくれました! と拍手喝采でしたね思わず。

ただ、色の生理学的作用については、もう少し解説が欲しかったなあという印象です。脳科学や生理学の知識がない私は、「赤はアドレナリンを分泌させる」「橙はインシュリン」などと言い切られてしまうと、何かだまされているのではないだろうかと不安になります。

あと、色彩の検定試験(先生は「色彩検定」と書いてますが、これが「色彩検定」そのものズバリなのか、カラーコーディネーター検定なども含むのかは不明)に批判的で、検定試験対策として学習必須の色彩論などもきびしく糾弾されています。受験勉強中の方は混乱してしまうおそれがありますので、くれぐれもご注意ください。

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