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無用の西洋コンプレックスに別れを告げてありのままの自分を受け入れるための処方箋

フランス人は10着しか服を持たない ファッション
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図書館で予約待ちをしていた『フランス人は10着しか服を持たない』の順番が、10月末に回ってきた。

半年ぐらい前に予約したら、200人以上の先客。1か月ぐらい前に確認した際にはまだ70何人待ちだったので、半ばあきらめていたのだけど、意外と早かったな。図書館が追加購入したのかもしれない。だから本が売れないんだってまた怒られそうな。ちなみに奥付見たら、2015年3月の第13刷だった。

さて、本書を読んだ感想は、特に目新しさはないし、なんかふわふわしてるなあというもの。

まず、目新しさがないというのは、若い頃から女性誌の「フランス女性に学べ」「パリジェンヌがお手本!」みたいな特集に触れまくっていたせいか、既視感があるエピソードばかりだったということ。逆にカリフォルニアガールの生態の方が新鮮だったぐらいだ。

というか、日本人がフランス好きすぎるのか。渡仏した女子アナや女優って、絶対フランス暮らしにまつわるエッセイ書くしな。

ふわふわしてるというのは、本書をものすごくざっくり要約すると

 えっフランス人てこんなにストイックなの!でも素敵!
  ↓
 私もマダム・シックを見習ってみる(ワードローブの数絞るとか上質な生活とか)!
  ↓
 なんか充実してきた!

という感じで、あまり努力の跡が伺えないので、掴みどころがないというか、西欧コンプレックスばりばりの日本人であるところの私には全く参考にならないというか。

いいじゃないか髪質的にボブスタイルが無理で、黄色とか黄緑が似合わないぐらい。ちなみに著者のジェニファーさんは、動画で見るとこんな人。なんかずるいよな、色々。

で、思い出したのが、30歳前後の頃愛読していた『私のスタイルを探して』という本。ファッションジャーナリストの光野桃さんのエッセイ集だ。1995年出版。昔は単行本で出ていたけれど、現在は、『おしゃれの視線』という別のエッセイとまとめられている。

光野さんは、女性ファッション誌『25ans』の創刊スタッフで、ご主人の転勤でイタリアに転居して以降、エッセイストとしても活躍するようになった人。現在は東京を拠点にファッションに関するセミナーを開催している。

『私のスタイルを探して』は、光野さんの若かりし頃の服にまつわる失敗談や、お洒落な人のファッション観察、なりたいと思う自分と現在の自分とのギャップ、自分がしっくりくる服を見つけるまでの過程が綴られた本なんだが、彼女が自分のコンプレックスを直視し、おしゃれのスランプから脱却するまでの奮闘ぶりが素晴らしい。

屈辱的な体験や、格好悪いところも包み隠さず書かれているので、参考になるし、ファッションのプロでもそういうことあるのか!とすごく勇気づけられる(と同時に西欧人との間の超えられない壁を悟る)。

着ていく服が決まらず不本意な格好で出かけてしまうことが多い人、自分の好みではない人にばかり言い寄られる人、何となく仲間うちで浮いてしまうという人、憧れのファッションが自分の体型に合ってないと薄々感づいている人は必読じゃないかと。

そうそう、自分に似合う10着が簡単に決まれば苦労はしないって話でね。

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