映画「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」の感想レビュー

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映画「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」を観ましたので、その感想です。

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あらすじ(ネタバレなし)

「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」は、2020年のスウェーデン映画で原題は「HORIZON LINE」。「ロスト・バケーション」などの代表作があるジャウマ・コレット=セラ製作の作品です。主演は、「ゲットアウト」で主人公の彼女のローズ役を演じたアリソン・ウィリアムズ。

「holizen」は「水平線」「地平線」という意味です。なので「邦題ぜんぜん違いますやん、しかも何でしょうこの軽いノリ」と思いながら観はじめたのですが、観終わって「うまいな」となりました。誰もいない空と海を舞台にしたサバイバルアクションではあるのですが、恋愛コメディとしての要素が強いのです。

公式サイトのあらすじはこちら。

友人の結婚式のため小型機でインド洋に浮かぶ南の孤島へ向かうことになったサラ。タイミング悪く、偶然乗り合わせたのはかつての元カレで今は気まずい関係のジャクソン。内心穏やかでないものの、大人の余裕を演出しながら、目の前に広がる真っ青で美しい海と一面の快晴に心弾ませ、空の旅は始まった。ところが、離陸直後に突如パイロットが心臓発作で急死。
この設定、映画ならジャクソンが元空軍とか、元CIAとかで、色々あるけど奇跡的になんとか着陸させるんだろうけど、元カレ、生憎ただの人。ってことは、「色々あるけど結局バッドエンド」!?
映画『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』 公式サイト

公開直前に異例のタイトル変更

ちなみに、「あれ?同じような映画の紹介を観たことがあるけど、そんなタイトルだったっけ?」とお思いの方。おそらくそれは同じ映画のことです。

この映画ははじめ、「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」という邦題で公開される予定でした。権利元が誤って承認をしてしまったという理由で変更されました。

「元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話」邦題変更、権利元の誤承認で|ナタリー

さて、この映画。パイロットの突然死、GPSは故障、管制とは連絡取れず。天候は大荒れで燃料漏れも発生という、わりと深刻な状況なのですが、どこか能天気な印象を受けるのは、取り残されたサラとジャクソンの元カップルが、お互いまんざらでもない感じだからでしょうか。「君らどうせ元サヤなんやろ。まあがんばりや」と突き放して見られるというか。

本作のプロデューサーのコレット=セラ氏の監督作品「ロスト・バケーション」のヒリヒリする感じを味わいたいんだよ!という方には物足りないかもしれませんが、お互い映画の趣味がまだよくわからないというカップルでの鑑賞も安心かと思います。ただし、ちょっと痛い描写はあります。「痛いカップル」の「痛い」もありますが、「怪我が痛い」の方の「痛い」もありますので、苦手な方はご注意を。

ラム酒もOK?SAF(持続可能な航空燃料)の可能性

ところで、この映画でサラとジャクソンが対処したことのひとつに、飛行機の燃料漏れがあります。そこで、ちょっと航空機燃料について調べてみました。

残念ながら、トレイラーにもある「ラム酒が燃料になるかも」が実際にできるのかどうかは、今のところ不明ですが、ラム酒の原料となるサトウキビなど、植物由来のバイオ燃料を航空機にも使おうという動きは、世界的に高まりを見せています。

いわゆる「SAF(持続可能な航空燃料)」の導入です。従来の航空燃料を使った飛行機での移動は、CO2を多量に排出するので、環境意識の高い人々からは「飛び恥」として嫌われるようになっているんですね。

例えば、環境活動家のグレタさんは移動に列車やヨットを使うとして話題になりましたし、英国のロックバンド、コールドプレイもツアーの移動はできるだけ陸路、やむをえない場合はSAFの飛行機を使うと宣言しています。

日本でも、SAFの導入は「待ったなし」とされています。2021年10月に公表された資源エネルギー庁の資料から、一部引用します。

SAFが必要となる背景② 世界的な航空分野における脱炭素化の潮流

  • 航空のCO2排出量は、自家用乗用車と比較すると少ないものの、鉄道等他の公共交通と比較すると多い。CO2排出の観点から、欧州を中心に、航空の利用を「飛び恥」として懸念する動きも出ている。
  • 一方、CO2の排出量原単位と移動時間の関係を見ると、航空は必ずしも他のモードに代替できるものではないと言える。また、現在のジェット燃料(ケロシン)に代替できる燃料が直ちにない。
  • 島国である我が国は、外国との往来を航空に依存していることに加え、外国人旅行者の誘致の観点からも、航空セクターの積極的なCO2削減を推進する必要がある。諸外国の動きに照らせば、気候変動対策の観点のみならず、我が国航空関連産業の国際競争力維持・強化のためにも、脱炭素化の取組は待ったなしの課題である。

出典:CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクトの研究開発・社会実装の方向性(案)|2021年10月資源エネルギー庁 ※マーカーは筆者

SAFは、品質が国際規格「ASTM」を満たせば、ジェット燃料(ケロシン)の代替とすることができます。

ASTMには製造方法・原料ごとの「ANNEX」(「カテゴリ」みたいなもの?)があり、2021年9月時点で7つが規定されています。製造方法についてはよく分かりませんが、サトウキビ由来のエタノールはANNEX3か5に分類されると思われます。上記の資料のP.45に一覧表が載っています。

映画「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」の冒頭では、主人公のサラが広大なサトウキビ畑の中をトラックで走り抜け、知り合いのラム酒蒸溜所にたどり着くシーンがあります。蒸溜所の主人は「これでロケットだって飛ばせるぜ」みたいな軽口を叩くのですが、彼はすでにSAF用のエタノールづくりを手掛けているのかもしれませんね。

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