モルトウィスキーを作る「ピート」で電気自動車の電池は作れるか?

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エストニアの科学者たちが、「ピート」からスマホや電気自動車の電池を作る方法を見つけたそうです。

「ピート」とは、植物が炭化してできる土のような物質で、「泥炭(でいたん)」とも呼ばれます。

モルトウィスキーを作るときに使うあの「ピート」というと、ピンとくるという方も多いのではないでしょうか。モルトウィスキーは、ピートの煙で麦芽をいぶして乾燥させてつくられます。いぶしたときに麦芽につくスモーキーな香りが、モルトウィスキーの魅力のひとつです。

エストニアの科学者たちは、このピートを使って「ナトリウムイオン電池」というタイプの電池を、実験室で作りました。ナトリウムイオン電池は、「リチウムイオン電池」の代わりとして注目されているものの一つです。

リチウムイオン電池は、今日、スマートフォンやパソコン、そして電気自動車のバッテリーとして幅広く使われています。しかし問題は、原料となるリチウム、コバルトなどの鉱物を手に入れるのが難しいことなんですよね。

というのは、こういった鉱物の多くは、政治が不安定で何かともめている地域に埋まっていたり、掘り出すのに子どもの労力が使われていたりするのです。よって、問題がない方法で、安定して手に入れようと思うと、コストが高くなってしまいます。

これから電気自動車の人気が高まり、生産が増えると、リチウムイオン電池の人気もますます高くなり、さらに価格が上がってしまうことが考えられます。そこで注目されているのが、比較的コストの安いナトリウムイオン電池というわけです。

ピートで電池を作るというエストニアの科学者たちの実験は、ナトリウム電池開発の試みのひとつです。ピートはリチウムやコバルトほど高価ではありません。沼地から掘り出して、2時間から3時間、高温で熱するだけです。

ただ、ピートを掘り出すのに、まったく問題がないわけではありません。ピートを採るには沼地の水を抜かなければならないのですが、このとき、沼地に閉じ込められていた二酸化炭素が空気中に吐き出されてしまいます。

そもそも電気自動車を作るのは、二酸化炭素の排出量を少なくするためなのに、これでは本末転倒です。また、電池の専門家によると、ピートを使った電池を安くたくさん作るするためには、まだ改良すべき点があるようです。

とはいえ最近、ナトリウムイオン電池じたいの注目度は高まっています。つい最近まで、ナトリウム電池は実用化にはほど遠いと言われていました。しかし、中国の自動車メーカーが電気自動車にナトリウム電池を取り入れてから、本気で考える人が増えているのです。

ピートを使ったナトリウム電池にも、チャンスはあるかもしれません。

参考資料:
Scientists Say Soil-Like Material Can Be Used to Produce Batteries(英語)|VOA Learning English
EV電池に必須の「リチウム」の確保は大丈夫か|東洋経済オンライン
「ピート」とはなんですか? サントリーお客様センター

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