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2020東京五輪エンブレムのデザイナー佐野氏の記者会見でのプレゼンが残念すぎる件

eyecatch

ビリケン
photo credit: 通天閣 via photopin (license)

アートディレクターの佐野研二郎氏がデザインした2020年東京オリンピックの公式エンブレムが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴと似ていると指摘され、盗作疑惑が持ち上がっている件で、8月5日午前、佐野さん本人が記者会見。

生中継は見損ねたのですが、直後にYOUTUBEに上がっていた動画で、一部を見ました。

会見では、冒頭でこれまでの経緯が語られ、同席した大会組織委員会マーケティング局長の槙英俊氏が商標権の問題について説明。

そして、佐野氏がデザインに込めた思いやデザインの着想などについて語った後、質疑応答という流れで行われました。

開始から佐野氏解説まで↓

オリンピックエンブレム記者会見 2015年8月5日 佐野研二郎

槇氏の商標についての解説から終了まで↓

東京2020エンブレム 佐野研二郎氏記者会見 2015-8-5

まず、商標権の侵害ではないかという話ですが、これはリエージュ劇場のロゴが実は商標登録されていなかったため、侵害にはあたらないとのこと。

これについては、8月1日のIOCの総会でも問題なしとされています。

新国立見直し、IOC総会で謝罪=エンブレム酷似に質問も-東京五輪

ただ、商標権の問題はクリアしても著作権の問題はまた別なんですよねえ。著作権は、登録なしでも発生しますので。他人の著作物を真似して、同じようなものを作ると著作権侵害になってしまいます。

この点について、佐野氏は盗用は「事実無根」とし、自らのデザインの着想について、会見で語りました。

アルファベットの「T」をモチーフにしたこのエンブレムは、「Didot」「Bodoni」という欧文フォントをベースにしているとのこと。「Didot」「Bodoni」の「T」に力強さと繊細さが両立しているということで、そのニュアンスを活かすことができないか?と考えたそうです。

これは「Bodoni」の方ですがこんな書体
bodoni フォント

佐野氏は両フォントの「T」の拡大図を手に持ち、曲線部分を示しながら、「このR(アール)の部分に楕円的なものが入っていると思うんですけど」と。

そこから、グラフィックデザイナーの亀倉雄策氏が1964年東京五輪のエンブレムの大きな日の丸をイメージし、Tと円を組み合わせたデザインの着想を得たとの話です。

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「亀倉雄策 1964年 東京五輪 エンブレム」の画像検索結果
亀倉雄策 1964年 東京五輪 エンブレム

そして、正方形を9分割するという形で、デザインを進めていったと。私はこの話を聞いて、ああ、それなら右下のあのちょこっと跳ね上がってるパーツの説明も納得できるかな、と思いました。正方形と円を組み合わせると、右下にそんな形のパーツができますし。

ただ、次の説明を聞いて、首を傾げてしまったんですよね。

「この羽の部分(右上のパーツを指す)は、この大きい円の回りの部分を使っているものです。で、右下にこの、あの、もの(左上のパーツを指す)を反転して使っているようなものとしてデザインしています。」

あれ?左上のパーツを反転させたって説明になってる。しかも日本語おかしい。あの右下の部分の必然性をしっかり語らないと、おそらくリエージュ劇場のロゴの盗用疑惑は晴れないというのに。何で見てるこっちがやきもきせんといかんのか。

しかも、その後の質疑応答で、TBSの記者さんが「銀色の部分は亀倉さんの大円を想起させるために残したのか?」と親切にも質問してくれたのに(上の質疑応答を含む方の動画の25分ごろ)、それを無駄にする佐野氏。

「はい、そうです」と即答した上で、彼はこう続けたのです。

「(銀色の部分は)もともとの「T」からすると、ほんとは上に来るのが通常だと思うんですが、やっぱり今回は東京で開催されるということで、やっぱり赤い丸を心臓の位置に置きたいというのがありまして、それで下に配置しまして、それで全体的に円を描けるようにするのが、やっぱあの1964年のものへのDNAを引き継ぐってことにもなりますし、やっぱり安定性とか、より力強さが出るんじゃないのかなっていう、あと調和っていうことも出るので、右下に置いたというデザインになります」

と回答しています。

お、おう…。何だろうこの、多少なりともロゴデザインをかじった経験がある人間が、超がんばって解釈して、「ああ、作ってる最中にそういうことを考えたらこうなった、ということなのかなあ」と、ようやく思えるレベルの説明は。

そもそも、一般の人はフォントの種類だの、亀倉雄策先生のDNAだの、安定性だのはどうでもいいと思ってると思うんですよ。自国で開催されるオリンピックのエンブレムがカッコよくて唯一無二だと思えるかどうかが全てで。

結局、そこんところの説得には全く成功していないし、疑惑の右下のパーツの意味はよくわからんままだし、それどころか、

「なんだ、すでにある文字を使っただけなのか」
「前の東京五輪のエンブレムの真似なのか」
「単に丸と四角と文字を組み合わせただけなのか」

と解釈して、さらに価値が下がったと感じた人もいるかもしれません。記者会見なんてやらない方がよかったかも。

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“2020東京五輪エンブレムのデザイナー佐野氏の記者会見でのプレゼンが残念すぎる件” への2件のフィードバック

  1. まぼろし探偵 より:

    佐野研二郎氏のデザインに疑問を持っている者です。

    サントリートートバッグのトレース盗用デザインが発覚しましたが、本人の佐野氏は”部下がやった事”という逃げ口上を取る事はネットでは知れていました。ニュースでは、サントリートートバッグのデザイン比較は1~2種類で、他のデザインの詳細な比較をしません。これでは、テレビだけしか見ていない一般市民には、あまり伝わらないニュースです。

    カルバンクラインの腕時計デザインは、ロゴなしで時計軸の位置が違うだけのデザインとしてのアイデアは完全のパクリです。カルバンクラインのコメントが聞きたいです。
    中韓のデザインパクリ時計と同じレベルです。

    そして、2020東京五輪エンブレムには、「一切パクリはございません」とテレビ・マスコミがゴリ押しで宣伝しています。本当にそうでしょうか?

    佐野氏の説明会見では、ベルギーの美術館マークだけが比較対象にクローズアップして、スペインなどのパーツや配色の類似性に関しては何も紹介しません。この2つが揃わないと話になりません。商標権も著作権は基本的な問題ですが、権利問題がなければいいという問題ではありません。

    「アレに似ている」「コレのパーツと配色に似ている」という世界的に晒しただけでなく、大半の日本人に嫌悪感を連想させる事や暗い気持ちにさせるという事も問題です。

    佐野氏の会見を見ていて、”フォントの T ”と”9分割 ”の説明をしていました。
    この時、「あれ!?」とあるデザイナーの作品を思い出しました。
    そのデザイナーは、故・田中一光 氏です。

    2012年に「田中一光とデザインの前後左右」展というのが開催していますが、その時のポスターがフォントの「 T 」…!? 佐野氏のフォントの T と被りました。

    それで、改めて田中一光氏の作品を眺めていると、ある作品に目が留まりました。

    1981年の「Nihon Buyo」
    1985年の「 Close-up of Japan, London 1985」

    これらの作品は、三角・四角・丸を組み合わせで、12分割された正方形の構成です。

    佐野氏の会見で”9分割”を主張してたのを思い出しました。この9分割が答えでした。
    田中一光氏のデザインは12分割ですが、これを下段を抜いた9分割にすると正方形になります。「Nihon Buyo」は、日本髪の女性の顔が縦3つの正方形を組み合わせた長方形に描かれますが、これを黒一色にします。

    「 Close-up of Japan, London 1985」などでも見られる三角があります。
    「Nihon Buyo」は右下に三角があるので、三角を左上に設け、内側の辺を曲線にします。

    残りの背景色を白くし、最初から描かれている右上の青い丸を赤くします。
    そして、先ほどの左上を金色、右下を銀色に変更するだけで、簡単に東京五輪エンブレムになります。これは、完全に田中一光デザインのトレースであり、作風と一致します。
    配色もパーツもスペインと完全一致。実際にフォトツールで簡単に作成できました。

    要するに「Nihon Buyo」を9分割にして調整し、スペインの4色を加えると2020東京五輪エンブレムに完全一致するという事です。これは、大問題だと確信します。
    「Nihon Buyo」がベースになっているようにしか見えません。

    上記の2点の他に1979年の作品で「花」という作品があります。
    この作品の中に、長方形っぽい形で木で現し、右斜め上に枝が伸びてますが、その上に赤い玉があります。長方形の右上に赤い玉…この作品は、ウグイスと梅の木を表しているもので、赤い玉は梅の花です。この3点のエッセンスも利用しているような気がします。

    この事実を確認してください。

  2. 小秋 より:

    こんにちは!
    コメントありがとうございます。

    私も佐野氏関連の情報については7月末から
    かなり掘り下げているつもりでしたが、
    田中一光さんのデザインとの類似については
    気が付きませんでしたし、
    言及している方にお目にかかったのも初めてです。

    既存のフォントを使うことと、
    グリッド分割することはよくあることなのと思って、
    深く考えていなかったのですが、
    ご指摘くださった「T」のポスターや「Nihon Buyo」を見て、
    あらーこれは…と。

    あと「花」の右下部分にも、似た要素が見てとれますね。

    時計やトートバッグのみならず、
    昨日はTシャツのコピペ疑惑も浮上してきたこともあり、
    もはやエンブレムも何かの寄せ集めなんだろうなという風にしか
    見えなくなってきました。

    何というか、グラフィックデザイナーという職業に
    憧れを抱いていた者として、
    今回の騒動は「残念すぎる」の一言に尽きます。

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