日経MJヒット商品番付で振り返る食品のヒット商品の歴史
日経MJヒット商品番付で振り返る、食品のヒット商品の歴史。なんでも昨年あたりから、食のジャンルで大きなヒット商品が出ていないとかで、食品メーカーや飲食各社は必死らしい。例えば、キリン「生茶」はAIを、サイゼリヤは脳波を駆使した商品開発をしているという。
【15日付 MJから】3月に刷新した「生茶」の味、実はAI(人工知能)が決めてます。サイゼリヤは試食の際に脳波を測り、あえて特徴がない「飽きない味」を追求。おいしいものが溢れる今、味を可視化して進化を目指しています。1面です。 pic.twitter.com/x4iBaSNFbX
— 日経MJ (@nikkeimj) 2016年7月15日
そんな情報が、7月15日付の日経MJ1面に「日経MJヒット商品番付にみる味のトレンド」という年表を添えて掲載されていた。1980年代から現在までのヒット商品のうち、日経の番付に入った食品や飲料を示した表だ。
1980年代といえば、1970年生まれの私が新商品や流行を意識するようになった頃である。MJの年表を見て、「あーあったあった」とか「あれは新しかったなあ」とか、なかなか感慨深いものがあったので、思い出話とともに引用させてもらう。( )内は、その商品が日経ヒット商品番付番付入りした年。
1980年代の食品のヒット商品は?
1980年代の味のトレンドを、MJは“欧米化「こってり」×「さっぱり」洗い流す”というキーワードで表現している。
缶入りウーロン茶(1984年)
ハーゲンダッツなど高級アイスクリーム(1985年)
シャウエッセン、カラムーチョ(1986年)
宅配ピザ、スーパードライ(1987年)
カラムーチョが出たのが高校生の頃だったという記憶はあるが、10代の半ばまでウーロン茶もハーゲンダッツも一般的ではなかったことに衝撃を受けた。
シャウエッセンは、事件だったなあ。「なにこのパリッとしてジュワーな食感!」てなもんで。我が家では、大皿に盛られてドンと食卓に乗ることが多く、自分の取り分を確保するのに必死だった記憶がある(弟が大食い&遠慮なし)。
あと、宅配ピザは、住んでいた地域が配達区域に入るまでは、さらに2~3年を要したような気がする。大学生の頃には、まだ新鮮だったなー。ちなみにすだち県の県庁所在地から車で30分圏内あたり。
1990年代初めは“味よりも「食感」「刺激」”の時代だった?
ティラミス、チーズ蒸しパン、果汁グミ、鉄骨飲料(1990年)
デカビタC、ダイエットコーラ(1992年)
ナタデココ(1993年)
チーズ蒸しパン(現在は「北海道チーズ蒸しケーキ」)は、一時期、毎朝食べていた気がする。ティラミスとナタデココは、流行りだからとりあえず押さえとかないと!みたいな空気があった。あんまり好きじゃなかったけど。
で、思い出したんだが、ティラミスの次は「パンナコッタが来る!」みたいな言説があったが、少なくとも私の周囲は懐疑的だったような。番付入りしてないところを見ると、外したんだろうな。鉄骨飲料は、鷲尾いさ子のCMが衝撃だった。飲んだことはほとんどなかったけど、「ヒット商品」という評価に異存はない。
そしてバブル後、失われた20年の食品のヒット商品は?
バリューセット(1994年)
ベルギーワッフル(1997年)
桃の天然水(1998年)
ビアード・パパの作り立て工房(2002年)
ジンギスカン(2005年)
マクドナルドのバリューセットはヒット商品というよりインフラじゃないのか、という印象だが、発売されたのが1994年だったらしい。ベルギーワッフルとビアードパパは確かにブームだった。カロリー怖かったので、ごくたまにしか食べなかったけど。
朋ちゃんの桃の天然水のCM「ヒューヒュー」も流行った。すでにアラサーだったので、乗り切れなかった感はある。しかしこのCMのバブル感、1998年とは思えない。小室ファミリーがそんだけ勢いあったってことか。
ジンギスカンは、一時期スーパーで羊肉を見かけることがよくあり、好んで食べていたのだがブームだったのか…そうそう、2005年といえば、私はテレビを観るのをやめていたんだったっけ。
2000年代後半以降のヒット食品のラインナップはこちら
プレミアムビール(2006年)
生キャラメル、チーザ(2008年)
食べるラー油、B級グルメ(2010年)
番付入りはしなかったようだが、「パウダー増量のハッピーターン」もこの時期を特徴付ける商品として、年表に名前が挙がっている。
この時期は、自分史上最大の財政難で、小遣い目的でトレンド商品をネタにした薄っぺらいブログを量産していた時期でもあったので、ヒット商品は自分が体験するものではなく、メシの種という認識だった。
じかに体験したのは、会社でお土産にもらった生キャラメルぐらいかな。「溶けちゃうから!すぐ食べないなら冷やしといてね!」ということで、保冷材とともに2~3粒が恭しく配られたのはいい思い出だ。
そして2010年代は「酸味」「さっぱり」の時代?
塩こうじ(2012年)
セブンカフェ(2013年)
サードウェーブコーヒー(2014年)
セブンカフェは日常的に利用しているなー。サービス終了したら困惑するレベル。塩こうじ、サードウェーブコーヒーは、伝説の珍獣みたいなイメージ。この他、名前が挙がっていたパクチー、塩レモン、熟成肉にも、同じ印象を持っている。
そして、16年からの味のトレンドはMJにも見えないようだ。「いろんな味を食べたいから食べ合わせを邪魔しない味?」として、シャンパン×餃子の組み合わせや、「コクの時代?」として生茶が挙げられているが、「ヒット商品」と言うにはインパクトが弱いよなー。
というか、「味」に着目した商品開発には限界があるのでは?と思うのだが。こちらは2015年のフード編ヒット商品番付。
2015年、人気だった食品や飲食サービスは?日経MJがフード編ヒット商品番付を発表
味が珍しいのは前頭5枚目の「怪味」ぐらいだが、ゴリ押し感が半端ない。味より、利便性とか効能とか、インスタ映えとか、丁寧に暮らしてる感をくすぐった方がいいと思う。