なぜ私はカワイイ系のパッケージデザインにイラッと来てしまうのか
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『スイーツ・パッケージ・デザイン 洋菓子・和菓子の美しい包み方』(編集:リンクアップ/グラフィック社編集部)と『かわいい缶の本』(著・Yuzuko)の二冊を、同時に図書館で借りたのですが、読んでいて何だかイラッと来るなあということで、今日はその理由を考えてみました。
『スイーツ・パッケージ・デザイン』は、デパ地下や専門店で、お土産用や贈答用など、ちょっと特別な日に買うお菓子のパッケージデザインを集めた本です。
先日ご紹介した、『パッケージデザインを学ぶ 基礎知識から実践まで』に収録されていたお菓子の多くが、スーパーで買える普段使いの商品だったのに対し、こちらは晴れのお菓子というか。例えば、関西でいうと「アンリ・シャルパンティエ」や「たねや」など。
いわゆるデザイナーさんの手が入っていると一目で分かる141のパッケージデザインが、「キュート&かわいい」「ポップ&お洒落」「クール&粋」「クラッシック&伝統」「シンプル&洗練」「ナチュラル&自然」の六つのジャンルに分類され、収録されています。
一方、『食べておいしい、使ってたのしいかわいい缶の本』は、イラストレーターのYuzukoさんが、「おいしくてかわいい」デザインの缶100個を、写真とかわいいイラストやエッセイで紹介する本。
ちなみに、Yuzukoさんは、他に『気持ちを伝えるちょこっとイラスト』などの著書がある方です。
掲載されている商品は、ほとんどかぶってないのですが、この二冊を一緒に紹介することにしたのは、両者が「かわいい」と評価しているデザインのテイストに、共通点があるなあと思ったからです。
要素を抽出してみると、
- ゆるい手書き風の文字やイラスト
- 昔からある(あったような)デザイン
- 素朴な和風 or 欧州風
- 微妙な色使い
という感じになるでしょうか。上記の2冊の基準では、これらのうち、二つ以上の要素を備えているデザインが、「かわいい」ということになりそうなのです。ピンクやリボンやフリルやハートに象徴される王道路線の「かわいい」とは一線を画す、ちょっとクセのある感じ。「私はちょっと違うの」という匂いのする「かわいい」とでも言いましょうか。
と、ここで、冒頭で述べたイライラの理由が何となく分かってきました。
私は、若かりし頃、他の女子と差別化を図るために、「かわいい」そのものを否定するという手段をとってきたのですが(サイズ合わないのにメンズ服買ったり、今思うと色々黒歴史)、王道路線とは違う「かわいい」を模索する、という落としどころもあったのか、と。
そういう落としどころを見つけた人への単なる嫉妬なんでしょうね、きっと。
そうか、例えば、ゆるいんだけど女子らしさは保っているイラストなんかを見ると、無性にイラッとするのは、それだったのか。イライラそのものは、今後も消えることはなさそうですが、原因が分かったのは、今日の収穫でした。