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伊万里焼展に行くならマスターしておきたいIMARIの重要知識ベスト3

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大阪市立東洋陶磁美術館で開催中の、同美術館所蔵の輸出用伊万里を中心に190作品を展示する「IMARI/伊万里 ヨーロッパの宮殿を飾った日本磁器を見に行きたいなー、とふと思ったのですが、よくよく考えてみたら伊万里焼のことを何も知らないことに気づき(汗)

現在、『伊万里焼 色絵 (NHK 美の壺)』(編集:NHK「美の壺」制作班)や、

伊万里焼 色絵 (NHK 美の壺)

『古伊万里 磁器のパラダイス』(著:青柳 恵介・荒川 正明)などを手にとったりして、勉強中です。

とんぼの本 古伊万里 磁器のパラダイス

で、分かったのは、ほんとに何も知らなかったんだな、ということ。あまりに衝撃だったので、この記事では、これまでの成果を、「今さら人に聞けない伊万里の基礎知識」というコンセプトでまとめてみることにしました。

1.そもそも伊万里焼とは?有田焼との違いは何?

伊万里焼とは、肥前(現在の佐賀県)の有田地方で、17世紀初頭(1610年頃)に生まれた、初の国産磁器のことです。

ここで、「あれ?有田焼って焼き物があったと思うけど、何か関係あるの?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、そうです、有田焼の有田です。

現在は、伊万里市で焼かれた磁器が伊万里焼、有田で焼かれた磁器は有田焼として区別されていますが、江戸時代には、有田を含む肥前地方で焼かれた磁器は、まとめて伊万里焼と呼ばれました。

これは、製品の主な積み出し港が、伊万里の港であったため。今日でも、江戸時代の肥前地方の磁器は、伊万里とか伊万里焼と呼ばれます。ただ、現代の有田焼との違いなど、色々ややこしいので、陶磁の専門家はいわゆる伊万里焼を「肥前磁器」と言っているようです。

2.伊万里焼の作風や特徴とは?

ひとくちに伊万里焼と言っても、素朴な食器から豪華絢爛な壺まで、時代や作り手、お客によってさまざまです。ここでは、伊万里の代表的な様式と、その特徴をご紹介します。

■ 初期伊万里

1610年代から1630年代頃までの製品。白磁に青一色で模様を表した「染付」という手法で作られた磁器が主。

染付松竹梅文徳利
染付松竹梅文徳利
Sake Bottle, Imari ware, Edo period, 17th century, pine, bamboo, and plum design in underglaze blue – Tokyo National Museum – DSC05298” by Daderot投稿者自身による作品. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

■ 古九谷様式(初期色絵)

1640年代に生産が始まった色絵磁器で、国内向けの大皿など。「古九谷」の名は、長年、加賀(石川県)の九谷が産地であると考えられていたことによります。

色絵牡丹蝶文大皿(東京国立博物館)
色絵牡丹蝶文大皿
Large Dish, Imari ware, Kokutani gosai-de type, Edo period, 17th century, butterfly and peony design on overglaze enamel – Tokyo National Museum – DSC05296” by Daderot投稿者自身による作品. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

■ 鍋島様式

1640年頃から活動を始めた、鍋島藩の藩窯の製品。将軍家・諸大名などへの贈りものとする高級磁器をもっぱらとしました。藩窯は1871年の廃藩置県で幕を閉じましたが、その技術は今泉今右衛門家によって継承され、現在は「鍋島焼」として知られています。

色絵宝尽文皿(ロサンジェルス・カウンティ美術館)
色絵宝尽文皿
Bowl with Treasures amid Waves Design LACMA M.2003.154.20” by Image: http://collections.lacma.org/sites/default/files/remote_images/piction/ma-31807377-O3.jpgGallery: http://collections.lacma.org/node/207758. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

■ 柿右衛門様式

1670年代に、酒井田柿右衛門が創始しました。素地や釉薬の改良により可能となった、「濁手」(にごしで)と呼ばれる、温かみのある乳白色の素地に、繊細なタッチの色絵で花鳥風月を描いたものが主流。なお、「柿右衛門」の名は代々襲名されていて、2014年現在、15代柿右衛門が当代となっています。

柿右衛門 大壺(東京国立博物館)
柿右衛門 大壺
Kakiemon Jar” by ReijiYamashina投稿者自身による作品. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

■ 金襴手(きんらんで)様式

上絵付した後,金箔を焼き付けて文様を表した、豪華絢爛な金彩色絵磁器のこと。明代(16世紀中頃)に中国の景徳鎮で始まり、日本には、江戸中期に伝わった技術です。

なお、西洋の人が、初めて日本の磁器と認識してコレクションしたのは、金欄手様式の磁器だったとか。それまでは、日本で作られ、輸出された磁器でも、中国製だと思われていたようです。

色絵獅子鳳凰文有蓋大壺(東京国立博物館)
色絵獅子鳳凰文有蓋大壺
Covered Jar, Imari ware, Edo period, 18th century, Chinese lion and phoenix design in underglaze blue and overglaze enamel – Tokyo National Museum – DSC05337” by Daderot投稿者自身による作品. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

3.「古伊万里」とは、いつの時代の伊万里焼のことなの?

江戸時代に作られた伊万里焼全般を古伊万里と呼ぶ説、江戸時代に作られた伊万里から初期伊万里を除いたものという説から、元禄時代に製作された金欄手様式のみを指すという、ひじょうに限定された説まで、いろいろあるようです。

色々読んでみた結果、どうもこの「古伊万里」という言葉、素人はうかつに使わない方がよさそうだと、私は判断しました。

ということで、以上、伊万里焼について、有田焼や鍋島焼との関係や、各様式の違いなどについて整理してみました。

上述の東洋陶磁美術館の展覧会を見に行こうとしている方、「伊万里が分かる」って何だか格好よさそうという気がするという方の、伊万里入門のとっかかりになりましたら幸いです。

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