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『ポスターを盗んでください』(著・原 研哉)を読みました

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『ポスターを盗んでください』(著・原 研哉)を読みました。

無印良品のアートディレクションや、「RE DESIGN」展などデザインに関する実験的な試みで知られるグラフィックデザイナーの原研哉(はら けんや)さんの本。週刊新潮に「それを創りながら。」と題して連載されたエッセイをまとめたものです。

私が本書を読むのは二度目です。このタイミングで再度手にとったのは、原さんが1995年に手がけたAGFのインスタントコーヒー「ブレンディ」のデザインリニューアルの顛末が知りたかったから。

ブレンディの先代のパッケージデザインを創った松永真さんが、最近読んだ『松永真、デザインの話。+11』で、名前こそ出していないものの、ブレンディの新しいデザインを痛烈に批判していたので、これはリニューアルを手がけた原さん側の事情もぜひ聞いてみないとなあと思ったのです。

で、思い出したのが、以前読んだ原さんのエッセイに、インスタントコーヒーのパッケージデザインの苦労を語ったものがあったなあということ。

記憶によると確か、

  • グラフィックデザイン界の大先輩が手がけた先代ラベルをリニューアルすることになってプレッシャー
  • いつかは“違いの分かる男”として、「だばだー」というBGMで有名な某インスタントコーヒーのCMに出たかったのに、ライバル商品のパッケージデザインを手がけることになってしまって困った

という主旨のことが書かれていたはずで、それはブレンディの話に間違いない!と思ったのです。

しかし、その推測は大ハズレ。本書に収録されていた原さんのインスタントコーヒーにまつわる話は、石岡瑛子さんがデザインした、「マキシム」のパッケージデザインをリニューアルするという話でした(石岡さんは日本のグラフィックデザイナーの草分け的存在で、松永真さんの先輩でもあるという大御所なので、これはこれですごい話)。

なので、ブレンディにまつわるモヤモヤを解消するという目的は果たせなかったわけですが、「だばだー」の話を含むエッセイ群は二回読んでもやっぱり面白かったので、改めて読んでよかったと思いました。

それにしても、原さんの文章は面白い。当時、30代の新進気鋭のデザイナーで、眉間に皺を寄せて難しいことばかり言っていても誰も文句は言わなかったと思うのですが、その時期に、軽妙なタッチのエッセイで、時には自分をネタに笑いを取りに行くとは、何というサービス精神かと。

あとがきによると、「文章を書くのは嫌いではない」とのことで、高校の同級生に、のちに小説家になった原田宗則さんがいなければ、モノ書きを目ざしていたかもしれないとのこと。何と言うか、天は二物を与えずというのはやっぱり嘘なんじゃないかなあと思った次第です。
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ポスターを盗んでください+3

【追記】私が読んだオリジナルの『ポスターを盗んでください』は、現在、絶版になっているようで(私は図書館で借りました)このページには、後に3編のエッセイが追加された『ポスターを盗んでください+3』の画像を貼っています。

私は、まだ『+3』の方は読んでおらず、追加の部分にブレンディの顛末が書かれてないかとちょっと期待したのですが、追加されたエッセイのタイトルは「国語入試問題にどうぞ」「ミラノに行く朝」「水の愉楽」とのこと。なので、望み薄かな…。

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