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『クジラは潮を吹いていた。』(著・佐藤卓)を読みました

eyecatch

『クジラは潮を吹いていた。』(著・佐藤卓)を読んだので今日はその感想です。

本書は、グラフィックデザイナーの佐藤卓さんが 2004 年の展覧会のために書いた文章が元となって生まれたものだそうで、出版は2006年。1984年のニッカウヰスキー「ピュアモルト」から、2006 年のヱスビー食品「SPICE & HERB シリーズ」まで、20年以上にわたる氏のデザインの仕事が収録されています。

代表作は、上記の他にロッテ「ミントガムシリーズ」「キシリトールガム」、明治「おいしい牛乳」、大正製薬「ゼナ」のパッケージデザインや、NHK教育「にほんごであそぼ」の企画とアートディレクション、プロジェクト「デザインの解剖」など多数。

明治乳業 おいしい牛乳 1000ml×3本

本書では、それらを含む73作品が、美しい写真と佐藤さん自身の言葉で紹介されています。成功した仕事だけではなく、不本意な出来になってしまったデザイン、短命に終わったプロダクト、程なくして別のデザインにリニューアルされてしまったパッケージなども含まれているのが興味深いところです。

例えば、佐藤さんがパッケージをデザインした商品で、私が何度か買った記憶があり、現在は市場から消えたもののひとつが、タカラ「カンチューハイ」シリーズの「スキッシュ」(2003年)です。

らせん状にエンボス加工されたアルミ缶に、透明インクでカラフルな斜めストライプが印刷されたデザイン。キラキラしたスタイリッシュなパッケージが印象的なチューハイでしたが、残念ながら短命で終わってしまいました。

あれは、当時すでに缶チューハイのヘビーユーザーであった私が思うに、何とも気の抜けた味であったなあと。買うことがあっても、その理由は、安くなっているから買う、それしかないから買う、という非常に消極的な理由でした。いくらパッケージが良くても、どうしようもなかった事例ではないかと思います。

で、今さら気が付いたのは、パッケージデザインというのは、そういった商品の中身ゆえに短命に終わる場合もあるのだなあということです。佐藤卓さんは、言葉少な目に語っていますが、デザインを手がけたパッケージが店頭から消えるときの悔しさとか無念さは相当のものではないでしょうか。

パッケージデザインを手がけるには、そういう覚悟も必要なのだなあと、深く感じ入った次第です。

ところで、『クジラは潮を吹いていた。』という不思議なタイトルの謎は、本書の最後のほうで解き明かされます。ヒントは、クールミントガム。パッケージに登場するペンギンについてのトリビアも語られていて、知ってしまった私は、今、誰かに話したくてワクワクしているのでした^^

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