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『糸と針BOOK』(編・文化出版局)を読みました

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『糸と針BOOK』(編・文化出版局)を読みましたので、その感想を。

本書は、日本やアジア各地の手縫いの仕事を、色鮮やかな写真と洗練されたエッセイで紹介する本。各地の手仕事や風土を紹介してきた雑誌「銀花」(2010年春休刊)に掲載された針仕事に関する記事を集め、再構成したものです。

日本からは、丸山派の画家がデザインにかかわったという江戸後期の豪華な小袖や婚礼衣装や、東北の農民の生活の知恵から生まれた「こぎん」「菱刺し」、海の男の衣服「ドンザ」、子どもの健やかな成長を祈る産着や「百徳きもの」など。

そして、アジアの国々からは、インドの刺繍「カンタ」、韓国の「ヌビ」、タイの少数民族やトルクメニスタン、タジキスタンなど中央アジアの衣装が取り上げられています。

それぞれ、技法や色使いなどは異なりますが、共通しているのは、緻密な縫い目と、それらを身に付ける人が寒さや何か悪いものから守られるようにとの目的を持って作られたということ。

例えば、「こぎん」「菱刺し」に代表される「刺し子」という技法。これは布地に糸で図柄を縫いこむものですが、単なる装飾ではなく、荒い麻布の目を塞ぐために生み出されたのだそうです。糸を縫い込むことによって、布が風を通さなくなり、また、丈夫にもなる。生活の知恵ですね。

そして、驚きなのは、縫い込む図柄がちゃんとデザインされていること。ろくな照明もなかったであろう昔に、一針一針布を刺し、緻密な幾何学模様を描き出していた人たちの姿を想像すると、畏敬の念が湧いてきます。

また、産着や「百徳きもの」にまつわる章では、人が生まれてくるということについて珍しく考えさせられたり。

いや、私自身は針仕事とは無縁で、ズボンのすそ上げやボタン付けすら覚束ない体たらくでして。この本を手にとったのは、たまたまカラフルな表紙に心ひかれたからなのですが、思いがけない収穫がありました。

カラーコーディネーションのヒントもいっぱい詰まっていますし、おすすめの一冊です。
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糸と針BOOK

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