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実はクライアント側のためにこそあるのかも知れない「トーン&マナー」概念の真の存在意義

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アートディレクターのウジトモコさんが、『デザインセンスを身につける』などの著作で度々紹介しているところの「トーン&マナー」。

これは、ごく大ざっぱに言うと「雰囲気」「世界観」「ふさわしさ」をあらわす広告業界用語なんだそうですが、ウジさんの著書で何度この語を目にしても概念がつかめず、何だかケムに巻かれているようなもやもやを感じていたのでした。

広告業界の中で使っている分には勝手だけど、一般の人向けのデザイン本で持ち出す必要があるのか?と。

しかし、最近読んだ、同じくウジさんの『視覚マーケティングのススメ』で、コンセプトからロゴなど各パーツのデザインに落とし込む際にトーン&マナーでフィルターをかける、という趣旨の記述を読んで、考えが変わりつつあります。

どうやらコンセプトと個別のデザインの間に、どちらにも属さない領域が存在していて、それをトーン&マナーと言っているようだと。

正確に言うと、デザインの基礎を多少なりともかじった人には、この領域は存在しないのかもしれません。コンセプトから各パーツのデザインに落とし込むことがダイレクトにできますので。

しかし、デザインを遠い世界のものだと感じつつ過ごしてきた人は、コンセプトからデザインを考える際に、「何となく白い感じ」「高そうな感じ」「アップルみたいな感じ」というもやもやしたところで止まってしまうのではないでしょうか。

そこへ発注先のデザイナーさんから数通りの具体的なデザイン案を提示され、

「う、うーんこれがイメージに近いかも。。」

と、決してどんぴしゃりではないデザインを選んでしまうという悲劇が起きます。

その点、もやもやを「トーン&マナー」としてプロセスのひとつとし、発注者側と受注側で徹底的に詰めて共有することができれば、そういったミスマッチがなくなるのではないかという。

つまり、私が業界目線だと反感を抱いていた「トーン&マナー」の提唱は、実はどこまでも発注する側のためなのではないかなあという気がしてきたんですよね。

もちろん、「トーン&マナー」という言葉を使うのが適切か否かはまた別の話ですが、コンセプトと具体的デザインの間にもやもやした領域が存在しうるということは、頭においておく必要があるのではないかなあと思った次第です。

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