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旧姓使用希望の女性が職場で体験したトラブルと夫婦別姓のメリット

eyecatch

最高裁の判断を受けて、夫婦別姓関連のニュースやブログ記事が盛り上がっているが、それをきっかけに、かれこれ十数年前、当時いた職場で、旧姓を名乗りたい既婚女性のトラブルに巻き込まれたことを思い出した。今日は、その記憶をたぐり寄せつつ、夫婦別姓についての自分の考えやスタンスを書いてみたいと思う。

旧姓を名乗りたい理由は?

旧姓を名乗りたい既婚女性というのは、私同様アルバイトとして入ってきたある新人さん。仮にAさんとする。当時20代後半。Aさんは、出勤初日に、面接時に名乗った苗字と異なる苗字を使いたいと私に言った。履歴書に書かれていたのは婚姻後のご主人の姓で、使いたいのは旧姓だという。

Aさんの婚姻後の姓は、例えば「山田」さんぐらいありふれた名前で、旧姓はすごく珍しい名前だった。かれこれ40年以上生きているが、日常でも各種メディアでも、同じ名前の人を見たことがないレベル。

彼女の話では、結婚にあたっては夫側の姓に変えざるを得なかったが、日常生活では、通称として愛着のある旧姓を名乗りたいとのことであった。また、二人きょうだいの姉が結婚して、相手の姓になってしまったため、自分が使わなければ、珍しい旧姓が途絶えてしまうとも。早く夫婦別姓が実現してほしいという旨のことも言っていた。

私は、Aさんが旧姓を名乗ることは可能かもしれないと思った。職場は、人が出払っていることが多い小さな事務所で、面接の日に彼女と会ったのは、私と採用担当の上司一人。

また、彼女の出勤初日にも、事務所には私しかおらず、まだ彼女の存在すら知らない人がほとんどで、その時点でAさんが戸籍上の姓から、旧姓にシフトしても、大した混乱はないと考えたのだ。ただ、一介のバイトである私の一存では決められないので、それは上司に相談してくれと言った。

あれはちょっとワケありだな

しかし、事はそう簡単に運ばなかった。その後出勤してきた採用担当の上司に、Aさんが打診したところ上司は猛反対。ちなみに上司は50代男性だ。彼は、

もう本社にも履歴書を送ってしまったし、今更変えると混乱が生じる
途中で結婚して旧姓を名乗り続けるならまだしも、はじめから既婚なのに旧姓を使うのはおかしい
そもそも旧姓を名乗ること自体どうかと思う

と、彼女に対して、かなり強い口調でまくしたて、旧姓を使うことは認められないと言った。

挙句の果てには、彼女のいないところで

「あれはちょっとワケありだな」

と言いだす始末で、いや、旧姓を通称として職場で使用している人なんてなんぼでもおりますがな…と脱力したが、まあ、後出しだったのは確かにまずいと思ったし、普段から頑固な上司だったので、説得できる気は全くしなかった。

結局、Aさんは折れて、書類と同じ姓を名乗ることに。その後、他の理由を挙げて、1週間で退職した。以来、交流はないが、彼女が今も当時と同じ思いであれば、「夫婦同氏制を定める法律が、憲法違反ではない」という今回の最高裁の判断には、さぞかしがっかりしたことだろうと思う。

私が夫の姓に変わることに抵抗がなかった理由

自身の問題としては、夫婦別姓の制度化を求める気持ちは特になく、また、結婚する際にも何の疑問も持たなかった。その理由は、

  • 旧姓時代、何の業績もなしとげていなかった
  • 結婚と同時に、住む地域も職も変わったので移行がスムーズだった
  • 旧姓は特に珍しい氏ではないので名乗る人が減ることは惜しくない
  • 配偶者の姓と自分の名前の相性がよい
  • というか旧姓と名前のバランスはよくないなと思っていた

というもので、旧姓にこだわりがなく、むしろ変わることが望ましかったからだ。

しかし、私のように実家で半パラヒキニート→遠隔地への移転を伴う結婚というコースをたどる人も、きょうびそうそういないだろう。姓が変わることに、結婚の喜びを上回る不都合を感じる人はけっこう多いと思う。

配偶者に姓を変えてくれ!という手もあるが、夫に姓を変えてもらう場合、かなりの困難を伴うことが予想される。多くの夫側の親族は反対するだろうし、妻側の親族も、いわゆる「入り婿」でない限り困惑する可能性が高い。

で、思ったんだが、夫婦同氏を強制することは結婚の障害になってるよな…どっちの姓を名乗るかでもめてるうちに、結婚がどんどん遠のいて、挙句の果てには壊れてしまうこともあるんじゃなかろうか。

サクッと結婚して子供つくってほしいなら、夫婦同姓・別姓どれでも好きに選べるようにした方がいい。そう、夫婦同姓を制度化することで、結婚にあたってのハードルが低くなる人が増えるのだ。これは大きなメリットだと思う。

あと、変わることは構わないが、自分だけが変えることに不公平感を感じる向きには、新しい姓を二人で作るオプションがあってもいいんじゃないかと。ハンコ屋さんも儲かりそうだし、名字作成とか、新たなビジネスも誕生しそうだ。自己流の名字版キラキラネームが多数誕生しそうな気もするが、それもまた味わい深いのではないかと思う。

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