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アウディのデザイナー和田智氏の「ミニバンやめませんか?」発言に思う車と父親の威厳の関係

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アウディA5
photo credit: Audi A5 via photopin (license)

ifs未来研究所の川島蓉子所長と、計6名の経営者、クリエイターとの対談を収録した『社長、そのデザインでは売れません!』を読んで、日本の車のデザインとか、父親の威厳とかについて考えさせられたので、今日はそれについて書く。

考えるきっかけとなったのは、「和田智さんとの対話」の章。和田智氏は、カー&プロダクトデザイナーで「SWdesign」代表。1980年代半ばに日産自動車に入社し、セフィーロ、プレセアのデザインを手掛けた後、90年代にロンドン留学を経て、アウディへ。アウディ「A6」「A5」「Q7」などをデザインした人です。

「デザインするひとの意見 その2」として、氏が語ったのは「新しい奇抜より、美しい普通をつくりたい」。とかくデザインに斬新さばかりを求める日本の自動車メーカーに苦言を呈しているんだけど、読んでて嬉しくなった。

というのは、最近の車って、どんどん顔がでかく人相(?)が悪くなっているという印象で、あと、奇をてらったような位置にウィンカーがあったりするところもしゃらくさく、いい加減にしてほしいと思っていたので。

しかし、氏の「日本のみなさん、ミニバン乗るの、やめませんか?」という意見には、同意しかねる。

だって根拠が

理由ははっきりしています。ミニバンばかりの自動車の風景は美しくないし、乗っている人もかっこよく見えないからです。

なんだもの。なんでも、ミニバンに乗ったお父さんが、少年野球の子供たちの送迎をしているのを見て、「お父さんが子どもたちの運転手に成り下がったように見えた」そうで。どうやら和田氏は、「かっこいいお父さん像」「父親の威厳」というものは、ミニバンでは醸成しえないと考えている模様。

和田氏のお父さんは、いすゞ自動車の「ベレットGT」というスポーツカーに乗っていたそうなんだけど、以下、連続して引用。

父は電気系のエンジニアで、忙しくてあまり家にはいなかったのですが、たまにドライブに連れて行ってくれる父を「かっこいい」と思っていました。50歳前後の僕の世代のクルマに対する原風景って、父親やおじさんや兄貴がクルマに乗っている姿ではないでしょうか。それを、「かっこいい」と憧れていたと思うんです。でも、どうだろう。今のミニバンには、「かっこいい」という原風景を子供たちに与える力がないのではないでしょうか。

たしかにクルマの車種の決定権ももっぱらお母さんが握っていて、「お友達の○○ちゃんのお宅もミニバンだから、我が家もミニバン」と選んでいるのかもしれません。オヤジの威厳というものが、ミニバンの氾濫とともに消えちゃったのかも(笑)

子供とは、誇り高い父親から多くを学ぶ側面がある、と思うんです。じゃあ、ドイツはどうか、というと、ドイツのオヤジたちは、昔の日本のように、父としての威厳をしっかり持っています。父の言うことに家族は敬意を払い、それを尊重している。僕のアウディ時代のドイツ人の同僚の家はそんな感じでした。

いやいや、どこの昭和だよと。それはミニバンが悪いんじゃないだろ。お父さんのデザインの問題だろ。お父さんのデザインが悪ければ、アウディ乗っててもだめだろ。さらに言うと、デザインがイケてるお父さんでも、家族の利便性を無視して2シーターの車とか乗っているようであれば、尊敬されないだろ。と突っ込んでしまった。

さらに、

さらにいうと、何度も申し上げているように、クルマは街の風景の一部をなす、動く建築です。そう考えると、ミニバンばかりが走っている街って、美しくない。もちろんその合理性は否定しませんが、これだけ多くのミニバンが街を構成すると、少なくなったセダンやクーペの走っている町並みのほうが、美しく調和がとれているように感じます。多様性があり、何よりオトナの社会に見える。「ミニバン、乗るの、やめませんか?」と思わず口走りたくなるのは、そんな理由からです。

ということなんだが、多くの人にとっては、多様性や「オトナの社会に見える」ことより合理性の方が重要だろう。結局、セダンやクーペが好きなだけなんじゃないかこの人、って気がする。

いや、電気自動車に関しては、

僕が思うEVって、リーフのような従来の自動車のエンジンを電気モーターに変えました、というクルマではないのです。

(EVの)充電は毎晩自宅でやる。ならば、EVは最初から「家の一部」として考えた方がいいじゃないか、と。排ガスが出ないから、家の中に入ってきても空気は汚れない。

などと、「ガレージを母屋の中に入れてしまう」ような画期的な発想をする方なのに、なぜミニバンに関してだけ発想が昭和。ある意味衝撃的だったので、思わず記事を一本書いてしまった。

で、思ったんだがむしろ和田さんにはミニバンをデザインしてほしい。風景との調和と多様性を実現するような「美しい普通」のミニバン。で、でかい顔して走ってる奇抜なルックスのあれらを駆逐してほしい。お願いします。

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