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『松永真、デザインの話。+11』(著・松永真)を読みました

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『松永真、デザインの話。+11』(著・松永真)を読みました。

本書は、先日ご紹介した『松永真、デザインの話。』(その後調べてみたところ、現在は絶版になっているもよう)に、新たな11編のエッセイと、関連する図版を追加したものです。

『デザインの話。』は、雑誌「アゴスト」に連載された松永さんのエッセイをまとめたものですが、出版の企画が持ち上がった当時は、まだ連載が続行中。

その時点までの34回分を収録して、発行されたのですが、それに、出版以降に書かれたエッセイ10編と書きおろしの1編を追加して、新たに出版されたのが、本書『+11』というわけです。

すなわち、すでに『デザインの話。』を読んでいた私にとっては、約3/4が既読。『+11』は、かぶるところのない続編だと勝手に思い込んでいたので、少々落胆したのですが、今回、初めて読んだ11編が実に興味深く、手にとってみてよかったと思いました。

特に印象深かったのが、松永さんの代表作である、AGFのインスタントコーヒー「ブレンディ」のパッケージデザインの話です。

日本デザイン界の天皇と言われた亀倉雄策氏をして、「ブレンディはついに我が家のフィリップスのコーヒーメーカーを棚の奥に押し込んでしまった」と言わしめたという、1986年の傑作。

その後は、松永さん自身の手で、幾度か小さなリニューアルが行われ、1994年には、グッドデザイン賞を受賞しています。

そんなブレンディなのに、『デザインの話。』では特にフィーチャーされていなかったので、どうしてなんだろう?と不思議に思っていたのですが、『+11』を読んで理由が判明。

ブレンディのパッケージには、松永さんの筆を重たくする、苦い思い出があったのでした。

1995年、非情にも私の知らないところで新プロジェクトが動き出し、あっという間にブレンディはマイナーチェンジされてしまったのである。

ブレンディのデザインが、その後、原研哉さんに変わったことは知っていました。しかし、その変更が松永さんにとって晴天の霹靂だったとは、びっくりです。

新しいデザインについて、松永さんはこう語っています。

そのパッケージデザインを見て、少なからずショックを受けた。わざわざデザイナーを変更したぐらいだから、私がそうであったように、過去のデザインを根こそぎ覆すようなものが出てくると思っていたのだ。しかし、ほとんど同じ路線・同じコンセプトを踏襲しているだけの、正直言って拍子抜けするものだった。

そして、テイストが時代にそぐわないのであれば、デザインやその担い手を変えることは問題ない、むしろ積極的であれとしつつ、かなり厳しい口調で、ブレンディのリニューアルを糾弾しています。

デザインを依頼する企業側にも、それを受けるデザイナーにも、クリエイティビティに対するデリカシーや最低限のモラルがあってしかるべきではないかと思うのである。

こちらがリニューアル後のデザイン。
 ↓  ↓  ↓
96 AGF 〈ブレンディ〉

確か、原研哉さんも、その著書でブレンディのパッケージデザインについて語っていた気がするのですが、残念ながら内容の記憶がほとんどなく(汗)

原さん側から見た、このリニューアル劇をぜひ知りたいのですが、どの著書だったかなあ。気になって仕方がありません。

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